PowerAppsは、業務アプリを手軽に開発できる便利なツールですが、すべての要件に対応できるわけではありません。

大量のデータを扱うと動作が重くなる



思い通りのデザインができない…
このように期待と異なる制約に直面したことはないでしょうか。
こうした制限を知らずに開発を進めると、時間やコストの無駄につながる可能性があります。
そこで、本記事ではPowerAppsで「できないこと」を解説し、それを補う方法も紹介します。
適材適所でPowerAppsを活用して効率的な開発を目指しましょう。
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特に、PowerAppsの基本操作や関数の使い方を体系的に学びたい方に最適です。
PowerApps全般のできないことの例
PowerAppsは、ノーコード・ローコードで業務アプリを開発できる強力なツールです。
しかし、その手軽さの裏には制約も多く、すべてのユースケースに適用できるわけではありません。
- 外部ユーザーと共有できない
- ローカルアプリとして起動できない
- 大規模なアプリには不向き
ここではPowerApps全般に関連して「できないこと」に焦点を当て、具体的な課題と対策を詳しく解説します。
外部ユーザーと共有できない
PowerAppsで作成したアプリは、基本的にMicrosoft 365のテナント内でのみ共有できます。
つまり、組織外のユーザーにアプリを公開する用途には向いていないともいえます。
例えば、顧客向けのアプリをPowerAppsで作成しても、自由にアクセスさせることはできないのです。
一応、外部ユーザーと共有する方法も存在しますが、制約が多く手間がかかります。
権限を管理するAzure ADを利用してゲストユーザーとして登録すればアクセス権を付与できますが、相手がMicrosoftアカウントを持っている必要があるので管理負担が増します。



外部ユーザー向けのアプリを作成したい場合は、別のプログラミング言語でのアプリ開発を検討する方がいいかもしれません。
ローカルアプリとして起動できない
PowerAppsはクラウドベースのプラットフォームであり、インターネット接続が必須です。
そのため、オフライン環境では基本的に使用できません。例えば、工場の現場作業員がWi-Fiの届かない場所で業務アプリを利用したい場合、PowerAppsはほぼ機能しません。
一応、PowerAppsにはオフラインモードの機能もあるのですが、制限が多いため完璧なオフライン動作は実現できません。
また、ローカルPCのファイルシステムへ直接アクセスすることはできないので、全てのデータはクラウド上のサービスを介して管理される仕組みになっています。
そのため、オフライン環境での作業が必須な業務にも不向きです。
PowerAppsはインターネット環境が前提なので、オフラインでの動作を求める場合には、専用のアプリを開発するほうが適しているかもしれません。
大規模なアプリには不向き
PowerAppsは、小規模から中規模の業務アプリを素早く構築するのに適したツールですが、大規模なアプリ開発には向いていません。
特に、以下の3つのポイントで制約が生じます。
データ処理の制限
PowerAppsのデフォルト設定では、1回のクエリで取得できるデータ数は500件に制限されています。
これを最大2,000件まで増やすことは可能ですが、それ以上の大量データを扱う場合、パフォーマンスの低下が避けられません。
また、SharePointリストをデータソースとして使用する場合、アイテム数が増えるとレスポンスが遅くなる傾向があります。
パフォーマンスの問題
PowerAppsはWebアプリケーションとして動作するため、データ処理のたびにクラウドとの通信が発生します。
データ量が増えるとその分通信コストがかかり、処理速度が低下します。
特に、複雑な条件分岐や数式を多用するアプリでは、ロード時間が長くなり、ユーザーエクスペリエンスが悪化します。
カスタマイズの限界
PowerAppsはローコード開発を前提としているため、柔軟なカスタマイズには制約があります。
特に、独自のビジネスロジックや高度なUIデザインを実装したい場合、PowerAppsでは対応しきれないことがあります。
例えば、外部APIを使って複雑なデータ連携を行う場合、PowerApps単体では難しく、Power Automateなどの補完的なツールが必要になります。
このように、PowerAppsはシンプルな業務アプリには適していますが、エンタープライズレベルの大規模アプリを開発するには向いていません。
もし、数万件以上のデータを扱うアプリや、複雑なビジネスロジックを含むシステムを構築したい場合は、PowerApps以外の開発プラットフォームを検討する必要があります。
PowerApps開発時にできないことの例
PowerAppsは、コーディングの知識がなくてもアプリを開発できる点が大きな魅力ですが、その反面、開発時にはいくつかの制約が発生します。
- デザインの自由度に限界がある
- 大量データの取り扱いに制限がある
- 複数人での同時開発が難しい
ここでは、開発中に直面しやすい「できないこと」について詳しく解説します。
デザインの自由度に限界がある
PowerAppsは業務アプリを迅速に構築することを目的としているため、デザインの自由度が低く、細かいカスタマイズが難しいため制約を感じる場面も多いです。
例えば、レイアウトの柔軟性が限られています。
PowerAppsでは、コントロール(ボタン、テキストボックス、ギャラリーなど)をキャンバスにドラッグ&ドロップで配置できますが、自由なグリッドレイアウトや複雑なUIデザインを実現することは困難です。
例えば、Webデザインにあるような相対単位(em、%、vhなど)が無いので、レスポンシブデザインには対応しきれません。
そのため、Webアプリやスマホアプリのように洗練されたUIを実装することは難しくなります。
また、カスタムフォントやアニメーション、詳細なスタイル指定が制限されているため、ブランドガイドラインに沿ったデザインを再現することが困難です。



CSSを直接編集することもできないので、細かいビジュアル調整には限界があるようです…
その結果、PowerAppsで作成したアプリは、どうしても「PowerAppsらしいデザイン」に統一されてしまいます。
大量データの取り扱いに制限がある
PowerAppsは、小規模な業務アプリの開発には適していますが、大量のデータを扱うシステムには向いていません。
データの取得や保存に関しては厳しい制約があるので、これがボトルネックになることがあります。
PowerAppsのデフォルト設定では、1回のクエリで取得できるデータの件数が 500件 に制限されています。
設定を変更すれば 最大2,000件 まで増やすことができますが、それ以上のデータを処理する場合は工夫が必要です。
例えば、ギャラリーで10,000件のデータを一覧表示したい場合、PowerAppsの標準機能では対応できません。
データを分割して読み込むために、ページネーション(ページ送り機能)を実装するなどの対策が必要になりますが、これは都度読み込みが必要になるためアプリの動作は遅くなりがちです。
複数人での同時開発が難しい
PowerAppsは、1人または少人数での開発を想定して設計されているため、大規模なチーム開発には向いていません。
通常のプログラム開発であれば、複数人が同じコードを編集し、それぞれの変更を統合することができますが、PowerAppsではこれができません。
そのため、チーム開発では「1人が編集している間、他のメンバーは変更できない」という状況になりやすく、並行作業が難しくなります。
また、PowerAppsのエディタはブラウザベースで動作するので、複数人が同時に編集すると競合が発生します。
例えば、あるメンバーがボタンの配置を変更し、別のメンバーがフォームのフィールドを追加した場合、どちらか一方の変更が上書きされてしまう可能性があります。
このような理由から、大規模なプロジェクトでPowerAppsを使う場合は、作業範囲を分担し、開発者ごとに異なるアプリやコンポーネントを担当するような工夫が求められます。
PowerAppsでの外部サービス関連でできないことの例
PowerAppsはMicrosoft 365やAzureとの親和性が高く、Microsoft製品を活用する企業にとっては非常に便利なツールです。
しかし、外部サービスとの連携には制約があり、特にMicrosoft以外のサービスを利用する場合には制限が多くなります。
- Microsoft製品以外との連携にはプレミアム版が必要
- APIやバックエンドシステムの構築がほぼできない
ここでは、PowerAppsが外部サービスと連携する際に「できないこと」について詳しく解説します。
Microsoft製品以外との連携にはプレミアム版が必要
PowerAppsでは、Microsoft製品(SharePoint、OneDrive、Outlook、Teams、Dataverseなど)との連携は標準機能として提供されており、特に追加のライセンスを必要とせずに利用できます。
しかし、Microsoft以外のサービスと連携しようとすると、多くの場合、プレミアムコネクタが必要になり、追加のコストが発生します。
例えば、PowerAppsの無料または基本プランでは、以下のような外部サービスとの連携ができません。
- Salesforce、Google Drive、Dropbox などの外部クラウドストレージとの連携
- MySQL、PostgreSQL、Oracle Database などの非Microsoft系データベースへの接続
- 外部API を利用するカスタムコネクタの作成



外部サービスと連携するには、PowerAppsのプレミアムライセンスを購入する必要があります。
しかし、このライセンスは比較的高額であり、1ユーザーあたり月額10ドル(約3,000円) かかるため、コスト負担が大きくなります。
また、プレミアムコネクタを利用する場合、利用者全員がライセンスを持っている必要があるため、社内全体で導入するとなるとコスト面でのハードルがさらに高くなります。
例えば、社内に100人の利用者がいる場合、単純計算で月額30万円以上のコストが発生することになります。
このように、Microsoft製品以外のサービスとの連携を考えている場合、事前にライセンス費用を考慮することが重要です。
APIやバックエンドシステムの構築がほぼできない
PowerAppsはローコード開発ツールであるため、一般的なWebアプリやシステム開発における「APIの設計・構築」や「サーバーサイドの処理」を行うことはできません。
まず、PowerApps自体にはバックエンド(サーバーサイド)の概念がほぼなく、アプリは基本的にデータソース(Dataverse、SharePoint、SQL Serverなど)と直接接続して動作します。
そのため、APIを作成し、独自のビジネスロジックを実装したい場合は、別のプラットフォームを検討したほうが手っ取り早いかもしれません。
PowerAppsでもできないことを理解して効率的に開発しよう
PowerAppsは、業務アプリを迅速に開発できる便利なツールですが、外部ユーザーとの共有、大量データの処理、高度なデザインやカスタマイズ、大規模開発には向いていません。
また、Microsoft製品以外のサービスと連携するには追加のライセンスが必要になり、API開発やバックエンドの構築も困難です。
しかし、これらの制約を理解し、Power AutomateやAzureと組み合わせることで、より柔軟なシステムを構築できます。
適材適所でツールを活用し、効率的なアプリ開発を進めましょう。
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